職人技の継承が最重要課題。レーザー溶接の(有)岩倉溶接工業所

4月14日(月)午後に、
有限会社 岩倉溶接工業所
に取材にお邪魔してきました。

昨年に続いての出展です。対応して下さったのは、代表取締役の岩倉正雄様です。



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「これからは職人を育てることが最重要課題なんです」と語る岩倉社長。



小1時間にわたって岩倉社長の熱き想い、創業の頃の話、将来像を伺ってきました。

いや~、岩倉社長、熱く語ってくれました。 (^o^;;



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「そんなバカなことはない、昔だったら信じられないような現象が今は起きているのです。

 関西方面の数社からお仕事を頂いているのですが、結局、高度な溶接が出来る職人がいなく

 なってしまっているのです。昔は京都や大阪と言えば大勢の職人さんがいたのですが」(岩倉社長)



技術の空洞化ということでしょうか。



「熟練の職人が下に教える前に引退してしまった、あるいは教えようとしても教えきれなかった、

 または教えても若い人が辞めてしまったとか、そういうことだと思います。

 仕事の依頼は来るので、その会社さんも困っていて、展示会がご縁で弊社に仕事を頂けることに

 なったのです。それはそれでありがたいことですが、なんだか複雑な気持ちなんです」(岩倉社長)



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例えば、これも展示物の一つなのですが、四隅の淵の溶接の部分が滑らかになっているものと、

わざと波目の模様を残しているものがあります。

両者とも職人による手作業なのです。 (゚△゚;)すごい!



「この浜松の工業地域も、どんどん仕事が海外に流出しているのです。

 仕事量としては半分以下というところでしょうか。

 誰でも出来る仕事は価格競争になり、単価も海外並みに安くなってきていて

 非常に危機感を持っています。

 だからお客様を唸らせる様な高い技術を持つべきなのです」(岩倉社長)



「岩倉さんのところで是非やって貰いたい、そう言われて初めて本物だと思いますね」(岩倉社長)



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「あるお客様からは『寸法が出ていない』と何回も返品されたことがありました。

 コンマ1mmの精度を求められていたのです。最初からやり直しました。

 機械加工の精度ですから、普通の溶接では出せないのです。

 そういう仕事は他の会社では出来ません。(手間なので)嫌います」(岩倉社長)



「ウチはそういった仕事を『喜んでやらせて頂きます』と言っています。

 納期は守るし、金額も見積内に収める努力も当然します。

 お客様も『岩倉に頼んでおけば安心だ』ということになります」(岩倉社長)



貴社は色々な展示会に出て「溶接で困ったことがあれば言ってください」と言い続けていますね。(^^)




チタンやマグネシウムの溶接
などは、その困ったことの最たるものですね。

 ただ航空機業界は、ホント、アメリカ主導ですね」(岩倉社長)



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MRJの模型飛行機。今回も展示会に出展します。何度見ても綺麗なフォルムです。(#^^#)



「若い人に言うんですよ。仕事は面白くやることだと。そりゃあ面白いことばかりじゃないでしょうが、

 出来た時にお客様から『いや~キレイに出来たねぇ』と言われれば自分の苦労も吹っ飛ぶゾと。

 それでまた頑張れるんだと」(岩倉社長)



「ちゃんとした職人になるには、きちんと面倒を見て3年はかかります。

 何もしないで放っておくと10年かかります。それで全て出来るかと言うと、やはり出来ない。

 だからちゃんと手間暇かけて育てることが大事なんです」(岩倉社長)



岩倉社長は、どんな風に仕事を覚えたのですか? (^^;



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「20歳前後の頃、東京に修行に行きました。

 自分で将来故郷に帰って商売するという気持ちでいました。東京オリンピックの頃です。

 でも最初はこの仕事が嫌で嫌でしょうがありませんでした」(岩倉社長)



へぇ~、そうだったんですか。意外ですねぇ。(^^;



「友達と約束するンですよ。『来週の水曜日な、19時に秋葉原でな』って。

 でも仕事が終わらなくて行けないんです。当時は携帯電話もありませんからネ。

 そんなことを繰り返しているうちに『岩倉は約束を守らないヤツだ』と思われて

 どんどん離れていくワケです。当時は寂しかったですね・・・」(岩倉社長)



誤解されるのはツライですね・・・。(^^;



「ある時、青年会の3分間スピーチで、ある先輩にすごく怒られましてね・・・。



 『こういう事情で東京に修行に来ているのですけど、一番ツライのは友達が出来ないことです』



 と話したんです。そしたら、



 『おい!イワ(岩倉)、何だって?仕事がイヤだだと?何しに来たんだ!』



 『あ、いや、仕事を覚えにこっち(東京)に習いに来たんです』



 『バカ言ってんじゃねぇーよ、お前!

  お前がそうやって残業やるってことは一日でも早く田舎へ帰れるってことじゃないのか?

  数をこなさないと本物の職人になれないじゃないか。

  それを何だと?17時に仕舞いたい?

  冗談じゃねぇーよ、そんな楽して職人になれりゃ誰だってやるわい。

  そーじゃねぇだろ!お前の考え方が違う!本当にお前、商売やる気あるのか!』



 ってね」(岩倉社長)



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「そこからですよ、ガラッと自分の気持ちが変わったのは。

 『よーし、やってやる』って思いました。

 『そうだ、自分は遊びに来ているンじゃない、仕事に来ているんだ』と。

 友達との約束は休日だけにして、仕事に打ち込みました。

 そしたら仕事が段々面白くなってきたんです。

 給料が毎月上がっていくのがそれに拍車をかけましたね」(岩倉社長)



今の岩倉社長がこうして在るのは、多くの先輩方に教わったお陰なんですね! (^^)



「今の若い人はこういう経験をしてきていないでしょ?

 だから年寄りの戯言、余計なお節介だと思われてもいいから、

 こういう話を伝えて行きたいンです」(岩倉社長)




ところで岩倉社長、裏手に新たに工場を立てるって聞きましたが。



「そうです、借り入れも沢山しますが(笑)。私はここに『職人塾』を開くのが夢なんです。

 ベテランの技術者が健在のうちに、若い人に技術を教え込んで行こうという狙いです」(岩倉社長)



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展示物の前で、岩倉社長と共に。「展示会、頑張るゾ」のポーズ。





「いや~、実は私・・・今年『大殺界』なんですよ。(笑)

 それで細木和子さんの本読んだら、墓参りしてご先祖様に頭下げろってあるんです」(岩倉社長)



「今が一番悪いときだから、だからこれからよくなるんだ、そういう気持ちでいます。

 今日も一日よろしくお願いします。みんながワクワクして仕事できますようにって」(岩倉社長)



岩倉社長、今日はありがとうございました! (^o^)/





編集後記)

今回の取材は、岩倉節が炸裂(笑)の社長インタビューが中心でした。

でも岩倉溶接工業所さんは、実際に全国からお仕事の依頼を頂いていますし、

職人の仕事に対する熱き想いを十分に感じられる内容でもありました。 (#^^#)



是非、静岡県・岩倉溶接工業所のブースに足を運んで、岩倉社長に会いに来て下さいネ!(^o^)/~



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