半導体レーザー加工機によるCFRTPとチタンの接合。エンシュウ(株)
4月15日(火)、今日最初の取材先は、 エンシュウ 株式会社さん。
エンシュウ株式会社さんは、明治37年に創業、大正9年に会社を設立された歴史のある会社です。
東京証券取引所に1部上場している企業でもあります。
主な事業は、工作機械製造販売、輸送機器の部品加工、そしてレーザー加工機製造販売です。

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これは会社の入口に飾ってある機械群です。歴史を感じさせますね~。(^^)
左は昭和30年代のフライス盤でしょうか。
右の写真は横型・立型それぞれのフライス盤と阪本式管替自働織機の模型ですね。
エンシュウさんは、創業者の鈴木政次郎さんが足踏織機を製作したところから始まったのです。(^^)

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対応して頂いたのは、光関連部航空機部品課の三津間希(みつま のぞむ)部長です。
大会社だったので私は少し緊張して臨んだのですが、とても気さくに対応して頂きました。
三津間さん、ありがとうございます! (#^^#)

貴社の事業は、工作機械製造販売、輸送機器の部品加工、レーザー加工機製造販売の
3本柱ですが、今回の展示会は何を展示されますか?  (゚△゚;)?

「今回の展示会では、私が所属する事業部がレーザー加工機を扱っている部署なので、
 その加工のアプリケーションを展示します」(三津間さん)

貴社はSOLAE(浜松航空機産業プロジェクト)にも所属していますね。(右の写真)

「浜松にSAT研(Space Airplane Technology 利活用研究会)という団体があり、そこから派生した
 共同受注グループです。2年前ぐらいでしょうか、某航空宇宙関係の会社から仕事を受注しまして、
 今でもお付き合いさせて頂いています」(三津間さん)

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これらが主に出展されるものですね?

「そうです。レーザー焼入部品と樹脂接合部品です。後者は樹脂と金属の接合技術(大阪大学・東洋紡に
 よる特許:日本国特許第4666532号)で、CFRTPとチタンをレーザーで接合しています」
 (三津間さん)

CFRTP?   (゚△゚;)?

「Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材です。
 自動車に使われる可能性の高い素材です。成型ができるCFRPです」(三津間さん)

「金属側(この場合チタン側)から局所的にレーザーを当てるので、そこの部分だけ樹脂が溶け出して
 接合します」(三津間さん)

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お客様プレゼン用に、こんな資料も用意されているのですね。(^^)
ポイントが書いてあり、とても分り易い資料です。

「そうですね、自動車の研究開発に携わっている方に主に見てもらいたいですね」(三津間さん)

この接合技術は、まだ研究開発の段階なのでしょうか?

「そうでね、まだ研究室レベルだと思います。自動車の場合はヒートショック試験などに耐えられるか、
 つまり金属と樹脂の応力的な違いで剥がれないことが確立されない限りは、表には出て来ないもの
 でしょうね」(三津間さん)

うわー、まだそんな段階の技術なのですね!
三津間さん、実際のレーザー加工機も見せて頂けますでしょうか? (^^;;

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左:工場見学には帽子とメガネの着用義務があります。貸して頂きました。(^^;
中:レーザー加工機について熱心に解説して下さる三津間さん。
右:これが実際のレーザー加工機です。デモしてもらいましたが、レーザーの照射は一瞬でした。

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工場内にも解説のためのパネルが展示してあります。きっと工場見学者用ですね。(^^)
おもてなしの心が、会社のあちらこちらに見られる気がするのは私だけでしょうか?

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こちらはコンパクトなサイズの レーザー加工機LBM10 です。コンパクトサイズと言っても
大人の背丈以上の高さと幅があります。こういう機械を作られているのですね!(^^)

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三津間さんとともに。「展示会、がんばるぞ!」(^^)


編集後記)
製品として世の中に出る前に、色々な技術の試行錯誤があることは頭では理解していましたが、
実際に目の当たりにしたのは初めての体験でした。(#^^#)
この技術に興味のある方は、是非、静岡県ブースのエンシュウさんのブースへお越しください。
特に、自動車関連の研究開発部門の方は歓迎だそうです!

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