真空成形で熱可塑性CFRP、防錆トレイを開発。双和プラスチックス工業

4月14日(水)、本日最初の訪問取材は、牧之原市にある双和プラスチックス工業株式会社さんです。
対応して頂いたのは、松下宙太郎(まつした みちたろう)さんです。
双和プラスチックス工業さんは、昨年の機械要素技術展にも出展されているリピーターさんです。(^^)

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松下さん、本日はよろしくお願い致します。
双和プラスチックス工業さんの事業概要を教えてください。(^^)

「真空成形という成形方法で、0.2mm~1.0mmの薄いプラスチックの製品を作っています。
 プラスチックのシートを加熱して軟化させ、型に吸引する形で生成します」(松下さん)

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写真:真空成形のサンプル品。型の方に細かい穴が数か所開いており、ここから吸引する仕組み。

今回展示会にはどんなものを出展されるのですか? (^^;

「熱可塑性CFRPと、気化性防錆トレイの2つになります」(松下さん)

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写真:熱可塑性CFRPのサンプル(左)と、気化性防錆トレイのサンプル(右)

まず、熱可塑性CFRPについてお聞きしたいのですが、
熱可塑性CFRPとはどういったものなのでしょうか?

「今までCFRPというと、熱硬化性と言いましてエポキシ樹脂を使用したものが多かったのです。
 成形に時間がかかりコストも掛かっておりました。新しい熱可塑性ですと加熱して軟化させる
 真空成形を使って成形できて、成形サイクルも早くなりコストダウン出来ます」(松下さん)

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真空成形で作るメリットは何でしょうか?

真空成形の特徴の1つとして非常に薄いものが成形できることです。
 他の一般的な成形方法ですと、薄い材料に関しては、型に樹脂が上手く流れない等の問題が
 発生し成形が非常に難しいです。真空成形ですと薄物(例えば0.5mm以下)に対応可能です
 ので、軽量化が図れます
」(松下さん)

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熱可塑性CFRPはどんな分野に応用できるとお考えですか?

「例えばスポーツ分野です。これはサッカーのプロテクターです。
 軽量化と強度を求められます。この製品は、ナイロン製に比べて3倍くらいの強度です。
 しかも柔らかくて曲げても壊れ(割れ)ません」(松下さん)

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「こちらは眼鏡ケースですが、この様な型であっても問題なく作れます。
 真空成形の幅広い対応力、自由度の高さを見て頂きたいのです」(松下さん)

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こちらのサンプルも薄いですね!(^^;

「この熱可塑性CFRPも1mmのものを引き延ばしていますので、
 薄い所では0.5mmほどの薄さになっております」(松下さん)

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次に、気化性防錆トレイについておうかがいしますが、どういった特徴がありますか?

「これは蓋付きの真空成形のトレイですが、この中に金属製品を入れておくだけで
 防錆効果が得られるという特徴があります」(松下さん)

それはどういった仕組みなのでしょうか? (゚△゚;)?

「防錆トレイの内側に気化する防錆剤が塗ってありまして、中にある空気に対して
 揮発して充満することで金属製品を錆から守る仕組みです。ですから金属製品が
 たとえ接触していなくても入れておくだけで防錆効果が得られます
」(松下さん)

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これはどういった分野に求められますか?

「自動車部品メーカー、金型メーカーなど金属を扱う分野にお役に立てると思います。
 バネやネジなど錆びやすい金属部品なども細かいトレイに小分けして入れておけば、
 保管している間、錆を防止できるという面では非常に有利かと思います」(松下さん)

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写真:透明のものが通常のPET製。白濁色のものが内側に気化性防錆剤フィルムを貼ったもの。

素材は何で出来ていますか?

「基本的にはPETで出来ています。PETは、よくある真空成形品の素材の1つです。
 防錆部分はポリエチレンで、そこに特殊な防錆素材を沁み込ませています」(松下さん)

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これを開発するにあたって苦労した点は、どんなところでしょうか?

「特殊な素材の性質上、成形条件など色々見直しながら最適な条件を
 見つけ出して行くところが、とても苦労した点です。長い年月を
 要しましたが、やっとここまで漕ぎ着けました」(松下さん)

ずっと温めていた製品が、いよいよこの夏に登場するのですね。(#^o^#)

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写真:真空成形で成形しているところ。
IMG_64721 エアパーティクルセンサ、イオナイザー1 クリーンブースW-1
写真:クリーンブースの様子。内部の気圧を高くして粉塵を入れません。
1 クリーンブースW-5IMG_6421IMG_6460
写真:クリーンブースの様子。作業員は防塵服を着用します。

双和プラスチックス工業さんは、2年連続2回目の出展になりますね。(^^)

「新しい製品、素材に対して挑戦する精神を持ち続けています。前回に引き続き
 今年もCFRPを展示するのですが、新たな展示物として気化性防錆トレイも
 出展しますので、是非自動車メーカーさんをはじめ、精密部品や刃物を扱って
 いるメーカーさんにブースに来て頂きたいと思います」(松下さん)

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恒例の「展示会、頑張るゾ!」のポーズです。
右が松下宙太郎さん、左が私小吹。

是非、静岡県ブースの双和プラスチックス工業さんに足をお運びくださいね!(^o^)/~

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