深孔加工技術で難削材、医療分野に挑む。(株)ハイタックの冷静と情熱
4月16日(水)、東部方面の取材の3社目は 株式会社ハイタックさん です!(^^)
ガンドリルマシンで、深孔加工(真っ直ぐに孔を明ける技術)に特化された会社さんです。
昨年に引き続き2年連続で、機械要素技術展に出展されます。(^^)

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主に対応して下さったのは、製造部課長兼技術開発の佐藤優幸(さとう まさゆき)さん。(写真左)
私が右手に持っているのが、ドリルの刃なのですが、写真で分かりますでしょうか? (^^;;

まずは最新の ガンドリルマシン を拝見させてもらいました。(^^)
医療分野など高精度を求めらる仕事に対応するため、この4月に導入されたものだそうです。

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左:横幅は3mくらいあるでしょうか。新しいマシンでピカピカです。背中は佐藤さん。
右:真ん中の細い線状に見えるのがドリルの歯です。これが回転して右側の固定したワークに
  孔を明けます。

ハイタックさんのすごいところは、「同心度」が非常に高いところです。(^^)v
つまりどれだけ深く孔を明けても、中心がほとんどズレないのです。

通常の深孔加工の同心度は、100mmに対して、0.1mmの精度であるのに対して、
ハイタックさんの同心度は、200mmに対して、わずが0.01mm。20倍の高精度です。(^^)v
昨年よりも、また精度が上がりましたね! (#^^#)

では、実際にマシンを動かして孔を明けてもらいましょう。

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左:操作パネルに設定をする佐藤さん。
右:実際の操作パネル。回転数やスピード、位置などの指定をします。

コレ、操作設定が簡単そうですね? (^^;

「設定自体は誰でも出来ますが、実際にきちんと孔が明けられるかは全然別問題です」(佐藤さん)

どういう点が難しいのでしょうか?  (゚△゚;)?

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左:サンプルの数々。肉壁を薄く残して孔を明ける。最薄で0.25mmまで対応。
  直径3Φ以下の孔も可能です。
中:アクリル材質に複数個孔を明けたサンプル。削る精度が良いので白濁せず、透明なまま。
右:同心度を点検する佐藤さん。肉厚の差を読み取ります。

「削る材質によって全く設定が違ってきます。前例のない材質に孔を明ける時は、試行錯誤しながら
 行っていきますが、非常に神経を使いますね。過去のデータや経験をフル稼働して設定加減を読むの
 ですが、自分の読みが果たして本当に正しいのか気を遣うワケです」(佐藤さん)

そ、そういうものなンですね! (^^;;
佐藤さん、冷静な語り口調の中に、その道のプロの持つ凄みを感じます。うーむ。(^^;;

「でも、誰もやったことのない難しい材質に、自分の納得の行く高精度の孔を明けられたときは
 とても達成感があります。ホント、技術者冥利に尽きますね(笑)」(佐藤さん)

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左:佐藤さん(左側)と共に。「展示会、頑張るゾ!」
右:フェンシングの突きだ。「食らえ!」「うぅ~、参った!」意外にノリがいい佐藤さん。(笑)

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写真左:形状加工済品の数々。部品が出来上がってから孔を明けたものです。(^^)v
写真中:形状加工済品 SUS420J2 Φ3.4
写真右:形状加工済品 SUS303   Φ8.0

これらは主に医療分野で使われる難削材に孔を明けたものです。

ここで代表取締役の稲田博さんにも登場して頂いてお話を伺いました。(^o^)

稲田社長、今度の展示会ではどの様な工夫をされますか? (^_^)?

「サーボスピンドルや高速スピンドルというスピンドルモーターと、
 コバルトクロム、ニッケルクロム、ニッケルチタン、ハステロイ、純チタン、SUS630、
 SUS420J2などのサンプルを並べようと思っています!」(稲田社長)

な、なんですか、そのコバルトクロムとか、ニッケルほにゃららとか・・・!? (゚△゚;)?

「あと、出来ればベータチタンね!あ、全部、医療分野で使われている難削材のことだよ!
 それに加えてどれだけの孔の精度を求められているかの説明書きだね。目立つように大きな
 パネルも作って展示してやろうと思って!どこに頼むかな?はははははッ!」(稲田社長)

はぁ・・・・(^^;;
稲田社長の勢いに押されっぱなしの私でした。稲田社長、とても情熱的な方です。(笑)

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左は冷静な佐藤さん、右は情熱的な稲田社長。私は「冷静と情熱のあいだ」にいます。(笑)

※「冷静と情熱のあいだ」:1999年に出版された辻仁成と江國香織による恋愛小説。
 並びにこの小説を原作とした日本映画。(Wikipediaより)


深孔加工技術 に興味をお持ちの方、また医療系分野の方は、
是非、静岡県ブースのハイタックさんのところまで足をお運びください!(^o^)/
きっとご期待に沿える技術が見れるはずです!!一見の価値が大有りです。(^^)v


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